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Google、咳音を用いた病気の早期検出を可能にするAIモデル「HeAR」を発表

Google Researchは、咳音を利用して結核やCOPD（慢性閉塞性肺疾患）などの病気を検出するAIモデル「Health Acoustic Representations（HeAR）」を[発表]{target=“_blank”}した。1億を超える咳の音声データを使用してトレーニングされたモデルで、音響データから病気の兆候を高精度で検出できるという。 @[YouTube] ## 開発背景と技術的特徴 HeARは、300億件以上の音響データを基にした自己教師型学習（SSL）技術を採用し、咳、呼吸、声などの音声パターンから健康状態を判断する。このモデルは、特に咳音にフォーカスしており、結核などの呼吸器系疾患の早期検出に優れた成果を示しているという。テストにおいては、従来の音声解析モデルを上回る精度を達成し、様々なマイクを使用した録音データにも対応できるように設計されている。 ## 実社会への応用とパートナーシップ HeARはすでにインドのSalcit Technologiesとの提携により、同社のAIモデル「Swaasa」に統合され、結核の早期検出に活用されているとのこと。また、国連が支援する「Stop TB Partnership」との協力により、2030年までに結核を撲滅する取り組みの一環として、この技術が活用される予定だという。 ## 将来的な展望と課題 HeARは、スマートフォンなどの手軽なデバイスを使って肺機能を推定することも可能で、COPDやその他の呼吸器疾患のスクリーニングツールとしての活用が期待されている。しかし、現時点では研究ツールとしての位置づけであり、診断用途での利用には臨床的な検証が必要だ。Googleはこの技術をさらに最適化し、モバイルデバイス上での効率的な使用を目指しているとのこと。 :::box [関連記事：国内初、AIを活用した医療技術が診療報酬項目として承認される　AI搭載医療機器「nodoca®」を用いたインフルエンザ診断] ::: :::box [関連記事：AIと医者どちらの診断に任せるか決めてくれる「CoDoc」Google DeepMindなどが開発] :::