公共
AIを悪用し「ヒトラーは誤解されていた」とする動画を拡散、若者層への過激思想の浸透が深刻化
2024年9月27日、[ワシントン・ポストの報道]]{target=“_blank”}により、ネオナチや極右勢力が生成AIを利用してアドルフ・ヒトラーの演説を英語に翻訳した動画を制作し、TikTokやX(旧Twitter)、Instagramなどのプラットフォームで広めていることが明らかになった。これらの動画は、ヒトラーを「誤解された存在」として再解釈し、若年層への過激思想の普及を目的としているという。 ![washington post.jpg] :::small 画像の出典:[ワシントンポスト]{target=“_blank”} ::: ## AI技術を悪用した極右プロパガンダ この問題について、過激思想や偽情報の監視を行うイギリスの非営利団体Institute for Strategic Dialogue(ISD)が調査を実施した。同団体の[報告]{target=“_blank”}によると、2024年8月以降、ヒトラーの翻訳演説を含むAI生成コンテンツが2500万回以上視聴されている。これらの動画は、視覚的にはナチスのシンボルやロゴを使わず、ヒトラーの影絵や音楽を背景に流すといった手法で、ソーシャルメディアの検閲を回避しているとのこと。 このようなコンテンツは、「単に面白い」などの理由で拡散されることも多く、視聴者が意識しないうちに極右思想に触れる危険性が指摘されている。また、AI技術の発展により、従来は専門的な知識が必要だったプロパガンダ制作が容易になっていることも大きい。 ## ソーシャルメディアの対策と課題 AIツールを提供するElevenLabsは、これらの[不正利用に対応]{target=“_blank”}するため、関与するアカウントを追放したが、拡散を完全に防ぐことは困難だとされる。ISDは、プラットフォーム側がより積極的に対応しない限り、過激思想がさらなる広がりを見せる可能性があると警告する。 :::box [関連記事:ElevenLabs テキストから効果音を生成するモデル「Sound Effects」公開] ::: :::box [関連記事:米大統領選へのAI悪影響、偽バイデンのロボコールが「次の予備選挙に投票すればトランプが再選する」と電話口で告げる] :::