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AI生成音楽を用いた詐欺、約14億円の不正収益でノースカロライナ州在住の男を逮捕
2024年9月4日、ノースカロライナ州に住む男が、AIを使って生成した楽曲をボットで何十億回もストリーミングし、1,000万ドル(約14億円)以上の著作権使用料を不正に得たとして逮捕された。米国ニューヨーク南部地区連邦検事局が[発表]{target=“_blank”}したもので、AIを利用した音楽ストリーミング不正操作の初のケースとなるという。 ## 詐欺の手口 この男は2017年から2024年にかけて、AIを用いて数十万曲を生成し、それをSpotify、Apple Music、YouTube Musicなどのストリーミングプラットフォームに大量にアップロードした。男はボットアカウントを操作して、これらの楽曲を何十億回も再生させることで、1再生ごとに発生する小額の著作権使用料を積み重ね、巨額の利益を得ていた。 再生回数が特定の楽曲に集中すると不正が発覚する可能性があったため、男は何千もの楽曲に再生を分散させ、ボットを使って異なる地理的地域からの再生を装うためにVPNも使用していた。また、AI音楽会社のCEOと連携し、週ごとに新たなAI生成曲を提供してもらい、次々とアップロードしていたという。 ## 巨額の不正収益 男は、ボットを1,000以上のアカウントに分散させ、1日あたり約66万回の再生を行わせていた。これにより、年間約120万ドル(約1.7億円)の収益を得ていたとされる。詐欺行為による総再生数は40億回を超え、得られた著作権使用料は1,000万ドル以上に達していたとのこと。 この男は電信詐欺、電信詐欺共謀、マネーロンダリング共謀の罪で起訴されており、それぞれの罪状に対して最大で20年の懲役刑が科される可能性がある。FBIのクリスティ・M・カーティス副局長は、「この詐欺行為は音楽業界の信頼性を損ない、正当なアーティストたちから収入を奪った」と述べている。 :::box [関連記事:SunoとUdio、RIAAからの著作権訴訟に反論:「音楽の未来はフェアユースの中にある」] ::: :::box [関連記事:逆転判決 MidjourneyとStability AIの著作権問題:アーティスト側の著作権侵害訴えが継続へ 米連邦裁判所] ::: :::box [関連記事:Perplexity AI、パブリッシャー向け収益分配プログラムを発表] ::: :::box [関連記事:OpenAI、GPT収益化のパイロット プログラムを米国でついに開始!] :::